医療福祉学科 視能訓練専攻-2019年度入学生まで-


2019年度入学生までの情報です。
最新情報は、こちらをご確認ください。
4年制大学では関西唯一。視能訓練士の国家試験受験資格が取得可能。
取得可能な資格等
- 視能訓練士(国)受験資格
- 社会福祉主事任用資格
目指す資格
- 視覚障害者ガイドヘルパー(同行援護従業者・一般課程)※
- ※在学中の取得を目指す資格
学びのポイント
- 国家資格取得はもちろん、
現場力を磨く4年制の強み - 関西の4年制大学で唯一、視能訓練士の国家試験受験資格が取得可能。1年次から国家試験に向けて、手厚くサポートします。また福祉や心理など、現場で役立つ分野の知識が幅広く得られるのも、本学の強みです。
- 少人数制&現場同様の機器で、
きめ細やかに技術を習得 - 専門性の高い眼科検査に必要な視能訓練の知識、技術をじっくりと学べる少人数制教育。また、医療分野の中でも機器類の進歩が早い眼科での勤務に対応できるよう、現場同様の機器を使用して理解を深め、技術を磨きます。
- 長期の学外実習で
多様な現場経験を積む - 3年次後期と4年次前期に各9週間の実習を行い、計4か所の施設を経験。段階的かつ着実な成長を図ります。また、多様な現場の仕事を経験することで、将来のビジョンを明確にし、モチベーションを高めていきます。
PROFESSOR'S MESSAGE

中山 奈々美 講師
感覚の80%をカバーするといわれる視覚。
その視覚機能を正しく評価することが重要です。
視能訓練士養成に携わる中で感じることは、まだまだ視能訓練士の重要さについての認知が低いということです。視能訓練士が行う「医師が診断するための事前検査」がルーチン的にこなせる仕事と思われることさえあります。しかし視能訓練士は、繊細な感性と行動を伴う高度な専門職。「目が見えにくい」状態は患者さまにより千差万別であり、自らの状況を明確に言葉にできる人はそういません。その「たった一人の感覚値」を検査のたびに毎回言語化していかなければならないのです。ときには患者さまの生活や家庭環境まで話題を広げながら、「感覚値を共有できるヒント」を探り続けます。そこに、最新機器を用いたデータを組み合わせ、医師に「最良の診療の材料となる情報」を伝えるのです。しかも、パソコンのブルーライト問題といった最新の環境変化や症例、機器、術式について把握し続けていかなければ、よりきめ細かな医療へつなげることはできません。視覚をより良い状態へと導くことは、豊かな人生を取り戻すこと。だからこそ私たちは感性と知識を磨き、学び続け、成長し続ける必要があるのです。
PROFESSIONAL'S VOICE

2017年3月 医療福祉学科 視能訓練専攻卒業
日本赤十字社 和歌山医療センター 勤務
職種:視能訓練士
データだけでは分からない
「患者さまの生の声」を引き出し、その視界を広げたい。
眼科に来る患者さまが最初に接するのが、私たち視能訓練士です。目の問題は非常にデリケート。一人ひとり、様々な不安をかかえていらっしゃいます。その中で私が大切にしているのは、患者さまが話しやすい環境をつくること。世間話をしたり、同じ視点で声を掛けることで、話しやすくなるだけでなく、ご本人も自覚できていない"状況"を発見することもできるのです。医師の「より効果的な治療」へとつながる、無意識の生の声を引き出せるように、今は試行錯誤の毎日です。さらに、現場に出て改めて痛感していることは、常に勉強し続けていかねばならないということです。私の勤める眼科では1日に130人もの患者さまが来られることもあり、一人ひとりが異なる症状や環境を背負っていらっしゃいます。検査技術を磨き、新しい知識を増やしていくことで、より確かなデータを得られ、もっと繊細に、もっと的確な治療への糸口を見出せるはず。その正確なデータと、会話の中から明らかになった患者さまの症状で、患者さまの未来を照らしたい。一人ひとりの状況を共有し、その視界をより明るく、豊かなものにしていきたいと思います。
現場の"いま"を知る学び

患者さまの症状を正確に捉える手法を実践的に学ぶ。
データをどう得て、どう解釈するか
眼科には数多くの機器があります。学内の演習でも多種多様な機器を扱いますが、使用方法を知ることだけが目的ではありません。その機器を使用する目的を理解し、理論に則った正しい操作方法と検査データの理論的な解釈の仕方を学びます。患者さまの協力を得るために理解していただきやすい説明方法も考えます。検査においては患者さまの様子を観察し、配慮できる力と余裕も必要です。学ぶ中で、自分の持っている力や言動を、客観的かつ冷静に捉えることが大切だといえるでしょう。
4年間の学び
視能訓練士国家資格合格率95%※の実績を支える、充実のカリキュラム。 ※2018年3月卒業生実績
授業と実習により、学んだ知識を確かな実践力へと高めます。
1年次から着実に前進し、合格へ。

1年次 | 授業 | |
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専攻専門科目 視能訓練士の業務のすべての基本となる、解剖や検査の基礎知識を習得する |
基礎科目・学科共通科目 対人援助職を目指す者として、豊かな人間性や倫理観を身に付けるために幅広く学ぶ |
2年次 | 授業 | 学内実習 |
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専門知識を一気に深めるため、工夫しながら知識同士の関連性を捉える | 専門科目や学内実習で「視能訓練士」の仕事を具体的にイメージ |
3年次 | 授業 | 実習 |
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実習を間近に控えより専門性の高い内容に発展 | 臨地実習で実際に患者さまの検査にあたり知識と実際の統合を図る |
4年次 | 授業 | 実習 | 国家試験対策 | 就職活動 |
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卒業論文の執筆にあたり、説得力のある文章に必要な要素を考える | 前年度の実習を振り返り、より高い自己目標を立てて臨む | 計100コマ強の 国家試験対策講座+学内模試 「学びの総仕上げ」を行う |
各施設の強みや特徴を理解し、自身のキャリアビジョンを実現できる職場へアプローチ |
先輩の4年間をCHECK!
実習先で出合う"挫折"と"やりがい"。挑戦のたび、自分が成長。

山口県立宇部中央高校出身
山口県立総合医療センター 勤務

1年次 ひたすら座学。でも、実はこれこそが実践の力に。
視能訓練に関する知識はもちろん、福祉や介護、心理など対人援助の専門大学ならではの多様な周辺知識を学びました。学ぶことの多さに驚きましたが、3・4年次の実習でこの必要性を痛感。
2年次 いよいよ実技!仲間と練習を繰り返す。
専門の授業数はぐっと増え、更に複数の検査手技の学びが始まりましたが、空き時間に仲間と集まり教え合ったり、患者さま役を交代しながら互いに練習。一緒に乗り越えました。
3年次 ついに実習へ。感じたもどかしさ。
「あんなに練習したのに...」。初めての実習では、相手に合わせた説明を上手くできないもどかしさに直面。でも一方、私のことを評価してくださった患者さまの存在を知り、励みになりました。
4年次 メモからまとめノートへ。日々見返す。
3年次の実習で気づいた課題に対し、新たな実習でその克服に挑みました。現場で得た知識や経験を必死に書き留めたノートは国家試験対策にも役立ちました。
現場同様の設備、機器でしっかり練習。
様々な検査について、基礎的な技術の完成を目指す。
視能訓練演習室

視野計や視力検査装置など、実際の現場で使用されている検査機器を完備。実機を用いて検査方法と、機器の丁寧な扱い方を習得します。授業で使用されていない時間帯であれば、授業の復習や技術向上のために使用することが可能。定期試験の準備や、臨地実習前後の手技確認のため、たくさんの学生が利用しています。
ゴールドマン視野計

片眼で一点を見つめた状態で見える範囲をすべて手動で測定し、地図の等高線のように感度の高低を表現します。
オートレフラクトメータ

自動的に屈折度(近視、遠視、乱視)を測定できる機器です。近年、導入が主流となっています。
眼底カメラ

眼底(眼の奥)を撮影します。病気の状態の記録として、また造影剤を使用して変化している部位を特定する目的でも使用します。
Topics

専攻を超え、福祉の分野との連携を協働で学ぶ。
介護福祉専攻との合同演習
介護の対象となる高齢者には、眼科受診を必要とする方が多くおられます。この介護福祉専攻と視能訓練専攻の対象の重なりから、一部のゼミで合同演習を行っています。視能訓練専攻からは高齢者に多い眼の病気とその見え方を示し、眼科の精密検査体験も含めて、介護で配慮する点を提案。逆に介護福祉専攻からは高齢者の特徴や認知機能について学び、車いすの使用方法の指導も受け、眼科における業務への応用のヒントを得ています。互いに学び合い意見を交換することで、より厚みのある対人援助を目指しています。
専攻の特長
計18週間、4か所での充実した学外実習。そしてカリキュラム外にも、充実した学習プログラムを設置。
段階的に、規模や種類が異なる現場で実践。
様々な視能訓練士の仕事を経験しながら、知識・技術を向上。
3年次 前期 | 3年次 後期 | 4年次 前期 |
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視能学実習Ⅰ・Ⅱ
(臨地実習前学内総合演習)
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視能学実習Ⅲ
9週間
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視能学実習Ⅳ
9週間
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1クラスを3グループに分け、 少人数で復習! |
4つの施設で実践! ※「視能学実習Ⅲ」「視能学実習Ⅳ」それぞれ原則2か所の施設で実習を行います。 |
実習の質を高めるサポートも充実!
① 実習前オリエンテーション
臨地実習前に実施。それぞれの時点でのレベルに応じ、身に付けておくべき知識や姿勢の確認、また、前回の振り返りや新たな目標の設定などを行います。
② 実習中のサポート
実習記録を、実習先の指導者が日々確認し、現場の視点で指導します。学内の指導教員も逐次状況を確認しながら実習をサポートします。
③ 事後指導
ゼミ単位で「臨地実習報告会」を開催。各自の体験を共有しながら、視能訓練士としての自身の課題を再認識し、次の学びにつなげます。
SPECIAL VOICE → about 臨地実習

兵庫県立伊丹北高校出身
はりの眼科 勤務
4回の実践の中、挑戦、失敗、また挑戦。そして最後にいただけた一言。
「知識がきちんと活用できていないね」。実習先の視能訓練士さんの一言が私を成長させてくれました。高齢者、車椅子の方、白杖をお持ちの方など、来院される患者さまは様々。その方に適した検査方法の説明が必要です。知識も足りないし、実践にもつながっていないことがショックでした。もっと技術を習得したいという、同じ気づきのあった仲間たちとロールプレイを繰り返し、最後には「今日は分かりやすくなったね」という一言をいただけました。
課外活動でも、充実した学習プログラムを実施。
視覚障がい者ガイドヘルパー養成研修

視覚障がい者の心理や、福祉サービスなどの知識からガイド技術までを学びます。受講後に、同行援護従業者養成研修一般課程修了者として、視覚に障がいのある方の外出をサポートしている学生もいます。
OHS視機能セミナー

外部より講師を招き講演会を開催。視能訓練士を中心に、近畿圏の眼科スタッフに多数ご参加いただいています。在学生が出席するのはもちろん、卒業生が大学に立ち寄る機会にもなっています。
STUDENT'S VOICE

大阪府立河南高校出身
健常者が見過ごす「不安や危険」に気づくたび、考え方も細やかに。
目を閉じて歩いている状態を想像してみてください。突然「何か」が顔を覆ってきたら、ものすごく驚きませんか? 実はこの話は、飲食店の「のれん」の話。養成研修で視覚障がいの方と街を歩く中で、見過ごしていた視点に出合えました。こうした「視覚障がい者ならではの不安」は日常の中にたくさんあります。資格取得後は買い物やカラオケ、水泳など様々な視覚障がい者から「同行の要望」があります。その気持ちに寄り添い、自分をもっと成長させたいです。
キャリアイメージ
専門職就職率100%!
視能訓練士の仕事は大きく下記4つに分類され、総合病院や眼科クリニックなどでこれらの業務にあたります。
眼科一般検査
適切な診断・治療のために、視力・視野・屈折・眼圧をはじめ、幅広い検査を担当します。
視能矯正
弱視・斜視などの患者さまに対して、必要な検査及び機能回復のための視能訓練を行います。
検診業務
保健所や職場で行われる様々な検診に参加し、弱視や眼疾患の早期発見に貢献しています。
視力低下者のリハビリ指導
視機能が十分に回復しない方を対象に、必要な視覚補助具を選定し、その使い方を指導します。
就職実績 2018年3月卒業者(抜粋)
- 地方独立行政法人 大阪市民病院機構 大阪市立十三市民病院
- 地方独立行政法人 山口県立病院機構 山口県立総合医療センター
- 学校法人 関西医科大学
- 順天堂大学医学部附属静岡病院
- 医療法人 つじかわ眼科
- 医療法人 前田眼科
- 医療法人 山崎眼科
- 医療法人 誉祐会 はりの眼科
- 医療法人社団 カトウ眼科
- 医療法人社団 東京みどり会
- 医療法人社団 渡部眼科
- 河野眼科クリニック など
※掲載情報は、2018年度の掲載開始時点での内容です。