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カンボジアにある貧困家庭への訪問(国際地域交流委員会・カンボジア視察の報告Vol.4)

国際・地域交流委員会として3名の教員(柏原・秦・大木)が、8月20日(月)~25日(土)にかけてカンボジアに福祉・保育を中心とした視察に出かけました。今回は、6回シリーズの第4回「カンボジアにある貧困家庭への訪問」を報告したいと思います。

ここではほんの一端ですが、6回シリーズでご報告をお届けしたいと思います。       

  1. カンボジアに渡った社会福祉学科の3台の車椅子
  2. 「くっくま孤児院」の子どもたちとの再会
  3. 日本語学校、幼稚園等の訪問
  4. 貧困の村の子どもたち
  5. 働く女性たち
  6. カンボジアの現状

幼児教育、福祉、対人援助の基礎を学ぶカンボジア海外研修の視察3日目・4日目・5日目。

私たち、大阪人間科学大学の教員3人は、カンボジアの農村部、それも貧困家庭を訪問させていただくというような機会を得ることができました。これは、今回における数々の素晴らしいプログラムの中でも、個人的にはとても貴重な機会だったと感じています。

私たちが訪問させていただいたお家は、何もないのどかで綺麗な田園風景が広がるところにありました。初めてなのに、なぜか懐かしい気持ちになりました。

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カンボジアののどかな田園風景

村の中へは、トラクターに乗って向かいます。  

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トラクターに乗る柏原先生

村人の9割近くが農業に従事しているそうです。
農家と言っても、自分で土地を持たない小作農が多く、雇われ農家だそうです。
そのために現金収入に乏しく、貧しい生活を送られています。村人の生活状況はとても厳しい様子です。

その一例として、飲み水は水道の水ではなく、水たまりのような池から汲んだ水をそのまま飲まれています。もちろんとても不衛生で子どもの下痢が止まらない場合もあるそうです。
確かに自然は豊かで、野生の果物や魚などがあるため、飢え死にするということはないそうですが、とても簡素な高床式住宅の中で生活を営まれているのが印象的でした。

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訪問させていただいた家

しかし、相互扶助や村の中での助け合いが根強くあり、親戚が集まって暮らしているというのが特徴です。
柏原先生が村人に「家はどうやって建てるのですか」と質問したところ、「村の人たちが協力して建てています」という答えが返ってきました。
ちいさな子どもたちも、下の子どもたちの面倒をよく見ます。そして、笑顔が見られます。   

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村の人々

日本人が掘った井戸を見たときは、本当に感動しました。きれいな水があると本当に生活が良くなります。
実際に掘る作業は、専門業者の方と共同で行います。

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日本の支援で作られた井戸

今回の訪問で、父子家庭で、お父さんが出稼ぎに行っており、屋根がむき出しの家に一人で暮らす小学3年生の少女の家を訪問させていただきました。
家の備品は限られており、NPO が運営する奨学金で学校の教材や制服の支給を受けているそうです。
カンボジアの学校教育システムでは、制服を買えない家庭は学校に行けないので、制服の支援を受けることによって学校に行くことが可能となっています。将来の夢は「教師になること」だそうです。

実際に訪問し、生活状況を目の当たりにし、いろいろなことを知ることができます。
そして、いろいろなことを思い、自分にできることはないかを考えます。
「屋根にブルーシートをかけてはどうか?」「裸足でけがをしないのか?」「学校まで自転車がないと不便では?」「小学4年生になっても学校に行き続けられるのか?」などです。

これらが正しいかどうかはわかりません。しかし、幼児教育、福祉、対人援助の原点に接し、「同じアジアで小さな命が、頑張っている姿」を見て、自分の心の中に大きな変化が生まれたのを自覚しました。
このような体験を是非、大阪人間科学大学の学生にもしてもらえたらと思いました。

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フェアトレードで働くお母さんの子どもたち

この道が、カンボジアと日本の子どもたちの明るい未来につながっていますように!(文責秦)181025(7).jpg
カンボジアにおける貧困の村の道