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学長先生にインタビュー(教員のおすすめ本 その1)

こんにちは、図書館です。みなさん夏休みいかがお過ごしでしょうか。
今年は猛暑でしたが、夏バテなどされていませんか?猛暑とはいえ、朝夕には小さな秋を感じるようになりました。

今回は、学長室に参上させていただき、田中学長先生に教師になるきっかけ、おすすめ本などをお伺いしました。
学長先生、お忙しい中貴重なお時間をありがとうございました。
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Q;「学長先生は、京都大学の工学部のご出身でご専攻は化学とお聞きいたしました。
大学院終了後には、大阪府で高校教師をスタート、教育委員会、校長職、近畿大学の教授などを経て、本学の学長職に就き現在に至っておられます。教師になられたきっかけをお教えください。」

A;「中学生のときには、社会が好きでした。特に地理に興味があり、鉄道の全駅を制覇したいなども考えていました。
それが、高校生になってから、化学に興味がわいて来ました。大阪府立高津高校で受けた実験の授業が化学に目覚めたきっかけです。
当時、高津高校では高校自作の実験室があり、それをもとに生徒は実験に取り組みます。数人のグループで実験を行い、その結果をレポートにまとめ、それをグループごとに皆の前で発表していくのです。その繰り返しを経て化学の面白さに目覚めました。また、科学的思考もそこで養われたと思います。
大学に入ってからは、学業の傍ら、家庭教師や予備校の講師などアルバイトをしていました。予備校で講師をしているときに、「教える」ことに興味をもつようになりました。目の前で学生が成長するのを実感できるのは楽しいものです。その経験がきっかけで、教師の道に進むようになりました。」

Q;「学長先生がお考えになる、よい教師とはどんな教師でしょうか?」

A;「生徒を心から思う教師がよい教師だと思います。自分中心ではなく、生徒中心に考えられるかどうかがよい教師の判断基準となるのではないでしょうか。生徒第一を常に念頭に置き、よい授業をするために、高校教師のときによく読んでいたのは、ブルーバックスです。
中でも物理学に関するパズルを解いていく本をよく読み授業に臨みました。おかげで、私自身の専門の化学より物理のほうが生徒の受けはよかったです。生徒に興味を持ってもらうよう、いろいろな本から授業での話のアイデアを収集し、雑学を面白い話に自分なりにアレンジして伝えています。」

Q;「好きなもの嫌いなものはありますか?」

A;「きゅうりが嫌いです。漬物もだめです。野菜も苦手です。
しかし、食べ物の好き嫌いはあるが、人の好き嫌いはないのが私の特長です。これでさまざまな職務を経験しました。
教育委員会では教員採用選考、管理職選考で1000名以上の面接を行い、また、さらに多くの生徒とも出会って来ましたが、この人はどうもしても嫌いだという人はいませんでした。
好きなことは先ほど申し上げた鉄道と、クイズや雑学が好きです。TVのクイズ番組のアタック25に出演したことがあります。クイズ好きの妻が応募し、私が出演しました。しかし、最終的に1問しか正解のパネルが残りませんでした。
その問題は、「原子量の基準となる元素は何?」に炭素と答え、その後、教えている生徒から「ミスター炭素!」と呼ばれるようになりました。」
このような、いろいろなエピソードがありました。

Q;「人気者だったのですね。これまで、その他にはどんな本を読んで来られたのですか?」

A;「これといったジャンルを決めずに、自分が興味をもったものを手にするようにしています。
好奇心に従って読み進め、おもしろい思ったものは、自分の授業にも取り入れて学生に還元するようにしています。
おもしろいネタを自分なりにアレンジし、おもしろく表現し直すことにより、学生が勉強への興味をより深くもてるよう工夫に努めています。思えば、心理系の本が多いですね。雑学系の本も好きです。」

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雑学に関する本は読みこまれて厚さが約2倍くらいになっています。
手に取って読んでみたくなるような本ばかりです。
図書館にもある本もありますので是非いらしてください!
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<インタビューを終えて>
学長先生の、常に上から目線ではなく、自然体で、自分中心ではなく他者中心、自分の好奇心の赴くままに自分に正直に生きる姿勢はとても素敵で、すばらしいと思いました。
何よりも自分の失敗でさえ笑いに変え、ありのままを隠さずに伝える姿に、多くの示唆とインスピレーションを受けることができました。
また、きっと私には計り知れないであろう、豊かな知恵や知識の深さに感銘を受けました。

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学長室の書棚も惜しみなく、見せていただきました。教育関連の専門書がずらっと並びます。

学長先生は、現在、人間科学Ⅰ、Ⅱの授業をご担当され、そこでは、教育とは、学校とは、いじめなど学校が直面する課題とどう向き合うかなどについて講義を行っておられます。それを踏まえて、グループワーク等で意見をまとめ、発表するといった学習方法を通じ判断力、表現力、自分の意見を積極的に発表できるなどのプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の向上を目指しておられます。
かつて学長先生が学ばれた高津高校での実験学習が生かされており、まさに、アクティブラーニングですね。


(画像は出版元の使用承諾のもと掲載しています)