保健医療学部 言語聴覚学科からのお知らせ
※この記事は、医療心理学科 言語聴覚専攻(2020年度から保健医療学部 言語聴覚学科へ移行)の当時のものです。
第1回OHS言語聴覚臨床セミナーを開催!
「さらに専門性を高めたい」「症例検討会に参加したい」「学会発表がしたい」など、就職後も更なるスキルアップを目指す卒業生の声に応え、年に1回、言語聴覚臨床セミナーを開催することになりました。
第1回のテーマには「聴覚障がい」を取り上げ、スペシャルゲストにデフフットサル日本代表の船越弘幸さんをお迎えし、これまでの生活史(ライフヒストリー)を語っていただきました。
当日(3/10)は言語聴覚専攻の学生だけでなく、将来、保育士や社会福祉士、理学療法士や心理関係の専門職を目指す学生、総勢40名以上が参加しました。
デフ(Deaf)とは、聾のことを意味します。つまり、聴覚(音声など)ではなく、視覚(手話など)を使ってコミュニケーションを図る人々です。
まず、聴者の我々が"聴こえにくさ"を具体的にイメージするために、簡単な疑似体験を行いました。
雑音環境下での聴き取りは難しく、特に「アカ」「サカ」「タカ」といった似た言葉の聞き分けが難しいようでした。
船越さんは、小さい頃から母親の指導を受けて、残存する聴力と口唇の動きから発話内容を読み取る「聴覚口話法」というコミュニケーション手段を習得されており、口頭で質問された内容を正確に読み取り、受け応えされていました。
船越さんの経験を拝聴し、我々は幼少期の言語学習や聾教育と通常の学校教育との違い、友人関係、就職や社会生活上の問題について理解を深めることができました。
後半は、「デフスポーツ」を体験しました。
音が聴こえない状態で体を動かすことに、最初は恐怖感がありました。人とぶつからないように気を遣っていると、仲間とのアイコンタクトが遅れ、タイミングよくパスを出したり受け取ることができません。
実際に障がい者スポーツを経験すること自体、"初めて"という学生がほとんどで、スポーツとしての魅力と難しさを同時に経験することができました。
このような貴重な機会を与えてくださった船越さんに、心より感謝申し上げます。
学生一人ひとりが自らの専門職業性と支援の在り方について考える、とても良い機会になりました。
今後も言語聴覚専攻ではセミナーだけでなく、新しい評価法等の技術講習会や症例検討会も定期的に開催していく予定です。
卒業生の方はもちろん、地域の言語聴覚士の先生方にも、ぜひ参加していただければと思います。