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令和2年度の公開講座を実施しました!!

11月28日(土)に大阪人間科学大学主催の令和2年度公開講座を開催しました。

本年度は、「子どもの生活を支援する~家庭と地域をつなぐスクールソーシャルワークとは?~」をテーマに、学内の専門家の立場から、児童虐待発生予防の視点も入れつつ、子どもの生活を支援するスクールソーシャルワークについての講演を行いました。体温測定、手指消毒、連絡先の把握、30分ごとの換気、 スタッフのフェイスガード着用、アクリル板の設置など新型コロナウイルス感染症に対する様々な対策を実施した上での開催となりました。

大阪人間科学大学 人間科学部 社会福祉学科 中川 千恵美 教授

「児童虐待発生予防とソーシャルワーク」

子ども家庭福祉にとって重要な社会問題である児童虐待の発生予防が取り上げられました。出生数が90万人を下回る少子社会から人口減少社会に至ったことに触れ、その中で子育て家庭の孤立と格差、父親の状況についての説明がありました。虐待相談事例の8割弱が地域で暮らしているそうです。児童虐待の発生予防に着眼し、実践事例を紹介しながら、虐待予防に役立つソーシャルワークとは何かについての説明が行われました。

大阪人間科学大学 人間科学部 社会福祉学科 郭 理恵 助教

「スクールソーシャルワークとは」

スクールソーシャルワーカーは教育の分野に加えて、社会福祉に関する専門的な知識や技術を有する専門職で、課題を抱えた児童・生徒に対して、環境への働きかけや関係機関とのネットワーク作りを通して、多様な支援を図っていく人材となります。今の日本は諸外国に比べるとスクールソーシャルワーカーの養成確保に大きく遅れをとっているそうです。また、文部科学省はこれまで補助金を増やしてきたそうですが、スクールソーシャルワークの設置を法定義務としなかったため、自治体によっては配置数にばらつきがあるそうです。スクールソーシャルワーク事業の歴史やスクールソーシャルワーカーの仕事内容について、詳しい紹介が行われました。

大阪人間科学大学 人間科学部 社会福祉学科 山中 徹二 助教 

「学校と地域の協働について」

虐待や不登校暴力行為などの発生件数は年々増加傾向が続いているそうです。 子ども達が抱える困難に対して教育や心理、福祉などの様々な分野からいろいろな対策がなされています。対象となる子どもの中には、課題が大きく顕在化し、いち早く支援につながる子どもがいる一方で、課題が潜在化し、制度上の支援を受けることができず、困難さを継続している子どもたちもいるそうです。子どもや子どもたちを取り巻く生活環境の改善だけでなく子どもが安心して過ごすことのできる居場所づくりを目的とした多様な実践が具体的に紹介されました。学校や地域でどのような取り組みが可能であるのか、また、取り組む上での連携や協働のあり方はどうあるべきかを考えさせられる内容でした。

地域の方など合計79名の参加をいただきました。誠にありがとうございました。

これからも、大阪人間科学大学では地域に向けての学術的発信として公開講座を実施してまいります。