新着
アーカイブ

自然との共生

2014年5月29日

本年度は4月1日に入学宣誓式が行われましたが、もう2ヶ月が経過しようとしています。春が過ぎ、梅雨のあとには夏。四季に恵まれた日本ならではの自然の変化が私たちの目を楽しませてくれます。

我が家の狭い庭でもコブシの花が咲き、チューリップ、モッコウバラ、そして5月も終わろうとしている今はクレマチスとヤマボウシが花盛りです。アジサイも咲き始めています。

 


一方、週末登山家としてはせっせと近郊の山に入っていますが、目的の一つは、それぞれの山に自生する花を観賞することです。
1月、2月は雪山の楽しみ。冬山に花はありません。しかし、3月に入るとまずはフクジュソウ、それから次々に思いつくままでも、カタクリ、タムシバ、ヤマザクラ、コバノミツバツツジ、イワウチワ、イワカガミ、5月に入るとシャクナゲ、ヤマシャクヤク、シロヤシオ、サラサドウダン、ベニドウダンといった具合です。特に今年はシャクナゲの当たり年で人によっては30年に1度の花盛りということです。

 

山の位置するところ、また同じ山でも、その高度によって植物の様相がずいぶんと異なっています。自然の力を私たちに示してくれているのが誰の世話にもならず自生するこれらの花々です。
カタクリの花を例にとって考えてみましょう。私が出かけるいくつかの山にもカタクリの花が咲いていますが、割合近くの山で見られるのは京都西山の小塩山という山です。谷の斜面にかなりの数のカタクリがあるのですが、ここはボランティアグループによる管理があればこその群生地なのです。特に鹿がこれを好むため、ネットを張ったりして鹿が入ってこられないようにして守られています。
近年鹿が山の中で増加し、それがためいろいろな被害が発生しています。なぜ鹿が増えたのか? その増加の原因は実は地球温暖化にあるとされています。寒い冬であれば自然淘汰されていた鹿も冬が比較的厳しくないため生き残り、そこで鹿による食害の地域が拡大しているというわけです。鹿はなにも悪くないのです。悪いのは温暖化をもたらした人間に他なりません。しかし、山の近くで農業をしている人にとっては鹿は害獣ということになります。
増えすぎた鹿を減らすために狩猟がなされ、その肉はジビエ料理となるわけですが、他の動物の肉と同様に、我々人間は他の命を頂いて生きている存在です。食事の前に手を合わせて「頂きます」という意味をもう一度考えてみたいと思います。

 

私の山の活動に興味のある方は「木村健治研究室」で検索してみてください。