teatures_voices 先生に聞いた学びの魅力

#08

職業で活きる

土台をつくり

直結する知識や

技能を習得する場所

田中 良

田中 良 助教

言語聴覚学科

[専門分野]言語学

[プロフィール]大学院で博士号(言語コミュニケーション文化学)取得。2015年より本学非常勤講師、19年に助教に就任。

本学科の魅力

臨床経験を活かした学びと豊富な実践機会

本学科の教員は、大学で教鞭をとりながら、臨床現場でも様々な実践を重ねています。現場での経験や臨床の最前線で得た知識が授業にも取り入れられていることは、学生にとっても大きなメリットでしょう。
また、学内には「ことばときこえの発達支援センター」が設置されており、希望すれば3年生の1年間、難聴や発達障がいなどのあるお子さんの支援に携わることができます。毎週、同じお子さんを継続的にサポートができる経験は、言語聴覚士を目指す学生にとって貴重な実践経験となるでしょう。授業で学んだ知識を、実践・応用しながら深めていく。その好循環の中で、高い専門性と技能が養われます。

将来を見据えて

幅広い視点で言語聴覚士の学びを深める

私自身は言語聴覚士ではなく、専門は言語学や音響学。これらは、言語聴覚士の国家試験科目でもあります。ただ、試験対策として丸暗記するだけではもったいない。授業で学んだ知識を実践で応用していくためには、仕組みから理解することが大切です。
一見すると、言語聴覚士の実践には直接結びつかないように感じるかもしれません。しかし、日本語の成り立ちや文法の理解は、言語を習得・再習得するときの難易度を理解する上でも重要です。例えば、「これは抽象的で理解がしにくいから、ゆっくり段階を踏んで練習をしよう」といったふうに、支援プログラムの組み立てにも活かすことができます。
また、音響学では、口から出た音が相手の耳に届くまでの空気中の振動や、耳から入った音が脳に届いて言葉として認識されるプロセスなどについて学びます。これらの知識は、聴覚心理学とも密接に関係し、リハビリテーションにも役立ちます。知識を深めるほど、様々な理解が有機的につながり、臨床での支援の引き出しも増えるでしょう。

田中 良

例えば母国語が違う人と話をするとき、お互いに言葉が分からない段階ではなかなか意思疎通も難しく、何も共通点がないように思えるかもしれません。でも、片言でもいいから、少しずつ喋れるようになると、一気に距離が縮まったり、相手の理解が進んだりする。言語には、人と人をつなぐ大きな力と面白さがあります。学びを通じて、言葉の持つ可能性を探究し、将来の実践に活かしてください。