そのギモン、心理学で解決だ!COCOROISM(ココロイズム)

Vol.03

普段は意識していない自分の気持ちや行動について、
ふと、不思議に思うこと、ありませんか?
気になるココロの疑問について、レクチャーします。
身近なことにも役立つ心理学の面白さに、
ぜひ触れてみてください。

友達づくりが下手、人前で上手く話せない。
原因は内気な性格、じゃないってホント?

原因は性格ではなく、周りとの関係にあります。

安易にレッテルを貼ることが、可能性を狭めている。

皆さんは、「内気で引っ込み思案だから、人前で話すのが苦手」というように、性格が行動の原因になっていると思っていませんか?しかし、なぜ「内気で引っ込み思案」だと思ったのでしょう?それは、クラスメイトに気軽に声を掛けられなかった、本当は意見があったのに人前で恥ずかしくて言えなかった、といった行動をしているからではないでしょうか。そうした行動が原因で、「引っ込み思案」というレッテルを自分に貼っているのです。
レッテル(=性格)は原因ではなく結果なのに、レッテルを貼ったことで自分は引っ込み思案だと思い込み、さらに行動に影響することもあります。

行動心理学では、周りとのかかわりが行動の原因だと考える。

行動の本当の原因は、周りとのかかわりにあります。例えば、苦手だからと避けていては話せるようにはなりませんが、繰り返し経験し慣れてくると話せるようになります。つまり、性格が変わったから話せるようになるのではなく、経験を積む環境を整えるなど、かかわりを変えることで行動は変わります。この考え方は、心理臨床はもちろん特別支援教育でも大変重要です。
例えば、ADHD(発達障がいの1つ)のある子どもが授業中に立ち歩くことを、ADHDの症状だから仕方がないと諦めてしまうと、立ち歩く行動はなくなりません。しかし、環境を整備したり、周囲が配慮してかかわり方を変えれば、集中して授業に取り組むこともできるようになります。行動心理学の考え方は、今では特別支援教育においても必須のものとなっています。
本学で学ぶ心理学が、あなたにとっても自分や周囲に対する者え方を変えるきっかけになることを願っています。

教えてくれたのは

心理学部 心理学科

日上 耕司 教授

心理学を学ぶと、何ができるの?取得できる資格は?
大阪人間科学大学で学ぶ魅力とは?
在学生の先輩と心理学の先生に聞いてみました。

Real Voice

特別支援学校教諭の免許を取得できる。

人間科学部 健康心理学科
4年次生
※現 心理学部 心理学科
竹森 未来さん
岡山県 清心女子高校出身

高校生の頃は、心理学を学んでスクールカウンセラーになろうと考えていました。大阪人間科学大学に進学したのは、少人数制で先生との距離が近いことに魅力を感じたからです。学生数の多い大学で大勢が一緒に授業を受けるスタイルだと、分からなくなったときに置いていかれるのではと、不安に感じて。
特別支援学校教諭を目指すことにしたのは、この学科で特別支援学校教諭一種免許状と、中学・高等学校教諭一種免許状が取れると知ったからです。中学生の頃、社会の先生が授業でいろいろ面白い体験をさせてくれたことが記憶に残っていて、私もそんな体験を子どもたちにさせてあげたいと思いました。また、両親が特別支援にかかわる仕事をしていて、普段からやりがいや楽しさを聞いていたこともあり、やってみたいと決めました。
心理学の授業にプラスして教師になるための授業を受けていますが、なんでも吸収したいと思ってカリキュラム上、履修できる科目は、取れるだけ取りました。それでも1~5限目まで全部埋まっているのは週1日だけなので、忙しくてもなんとかやっていけています。勉強のモチベーションになるのは、子どもたちの可愛さ。支援学校でのボランティア活動の帰り際に「また来てね」と言われたことを思い出すとやる気が出ます。

心理学が、子どもの気持ちを推し量ることに役立つ。

子どもは自分の思いを、なかなか言葉にすることができません。子どもの葛藤や、がまんできずに逃避してしまうなどの問題行動においても、その内面を推し量ってサポートしていくために心理学の学びは活きてきます。
大阪人間科学大学の先生は、カリキュラムのことはもちろん実習などいろいろな相談に乗ってくださるので、よく研究室を訪ねています。履修計画を立てる時期には、先生から声をかけてくれることもあり、私たち学生の様子を気にかけてくれていると感じますね。私はアルバイトで知的障がい者の外出をサポートするガイドヘルパーをしていますが、知的障がいがある方とのかかわり方などもよく相談します。
特別支援学校教諭になったら、一人ひとりの理解度を重視しながら、子どもたちを導いていきたいですね。そして、楽しく学べる環境を作れるような先生になりたいと思っています。

From Teacher

特別支援教育の専門家を目指すあなたに。
心理学を学ぶからこそ、できる支援があります。

子どもの個性に合わせた指導・支援ができる特別支援教育の専門家は、いまあらゆる教育現場で求められていることをご存知ですか?発達障がい、貧困、外国にルーツを持つなど、様々なケースで配慮を必要としている子どもたちが大勢います。支援が必要な子どもの数は増加しており、国内における特別支援学校の数も増えてきているのが現状です。
一方で、特別支援教育の専門知識やスキルを有する教員はまだまだ足りていません。特別支援教育の基本は、子どもの障がいやニーズに合わせた個別の指導・支援です。子どもにどう伝えれば理解できるのか、自分でできるようになるのか。支援には、子どもの行動を観察し、実態を把握することが大切になってきます。心理学で身に付けた知識や技術は大いに活かせるでしょう。
また、特別支援教育は教員同士や保護者との連携も大切になってきます。心理学や対人支援のプロフェッショナルの育成に特化した本学科での学びは、将来、現場で活躍するあなたの強みにきっとなるはずです。

心理学部 心理学科

中島 康明 教授

大阪人間科学大学なら

人間と人間との共生を目指す
心理学部がある

保健医療、教育、福祉、司法、産業に関連する多様な心理実践科目と、心理に関する支援の実態を理解する実習科目を通して、幅広い年齢層の人びとの心理的な問題とその予防・解決に関する様々な知識や対処法を学びます。医療現場、学校現場で求められる専門的知見の習得、価値観や生活様式の変動が激しい現代社会に対応できる心理学的な視点と思考力を身に付けます。また、本学大学院との一貫した公認心理師養成教育を受けることも可能です。