リハビリテーションの現場は多職種連携が当たり前の時代へ。

未来の医療・福祉は私が創る LEADERS Vol.01

患者さまの多様性にチーム支援で支える

脳血管疾患やがん、糖尿病、また、事故による骨折やケガなど、リハビリテーションが必要となる患者さまの状態や回復までの道のりは、一人ひとり違います。
例えば、脳梗塞で半身が動かなくなる、話せなくなるなどの後遺症がある場合、「患者さまが日常生活に早く戻れるように」という共通の目標に向かって理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医師や看護師など様々な専門職がかかわります。そして、それぞれの専門職が連携してかかわる“チーム支援”体制は、現在多くの臨床の現場で行われています。
また、厚生労働省は団塊の世代が75歳となる2025年に向けて高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるために、医療やリハビリテーション、介護などを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」を推進しています。これからますます重要になってくる多職種連携、その中で私たちは何ができるのか、一緒に考え、学んでいきませんか。

先輩たちのリアルな声で多職種連系の学びをレポート!先輩×後輩クロストーク

先輩

理学療法学科 2020年3月卒業

佐藤 妃奈

三重県・私立高田高校出身

多職種の知識も学んで幅広くリハビリテーションを考えることができる理学療法士になりたい

後輩

理学療法学科 3年次生

松井 大成

大阪府立守口東高校出身

将来はチーム医療のリーダーとなって、チームが意見を言いやすい環境をつくりたい

先輩

医療心理学科
言語聴覚専攻 2020年3月卒業

田原 弥樹

大阪・私立城南学園高校出身

※現 言語聴覚学科

患者さまと家族が思うゴールに近づくための豊富な知識と柔軟性を持った言語聴覚士になりたい

後輩

医療心理学科
言語聴覚専攻 3年次生

西村 陽奈

滋賀県立長浜北星高校出身

※現 言語聴覚学科

助けが必要な人の心に寄り添える言語聴覚士になりたい

先輩、臨床実習について聞かせてください!

西村さん臨床実習ではどんなことをするのですか?

田原さん私はチーム支援の現場を体験しました。医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそろって、患者さまに対するリハビリテーション方針を話し合う会議に参加させてもらい、プロフェッショナル同士がおこなう意見のキャッチボールを目の当たりにできました。

佐藤さん私は総合病院で実際に患者さまの評価をさせていただき、関節の角度を測る検査もおこないました。4年次生からの臨床実習では、患者さまの評価から治療までの一連の過程を体験する予定です。

松井さん臨床実習を経験して、良かったことはなんですか?

佐藤さん目にするものはすべて学びになるということかな。例えば、患者さまとの何気ない会話でさえ、相手の気持ちを察したり、楽にしたりすることに役立つのだと気づくことができました。

田原さん私は、食べることのできなかった患者さまが食べられるようになるのを見たら、自分まで嬉しい気持ちになるのだと感じました。現場を見ることはすごく刺激になる反面、プロフェッショナルの方々に比べて、まだまだ自分は知識不足だと痛感します。だからこそ、実習の前はとにかく準備が大切です。

実習のために備えておいた方がいいことは?

西村さん2年次生から見学実習が始まるのですが、何か準備しておいた方がいいことはありますか?

田原さん教科書を日頃からよく読んで、何でも調べるクセをつけておいた方がいいですよ。教科書には症例も載っているので役立ちます。

佐藤さん知識がついていると、実習が楽しいと感じられますからね。

松井さん先輩たちが経験した見学実習はどんな風でしたか?

佐藤さん見学実習だからといって、見ているだけでいいということはなかったです。急に「患者さまと少し会話をしていてくれる?」と、コミュニケーションの役目が回ってくることもあります。

田原さん現場での実習には会話の準備も大事ですね。言語聴覚士が支援する患者さまは高齢の方が多いので、会話に困らないよう話のタネに昔の流行歌などを調べて準備していきました。

松井さん確かに臨床実習に参加した先輩方の実習報告会でも、コミュニケーションの取り方に苦労したという声はよく聞きますね。

田原さんいざという時のために、なんでも準備は大事ですよ。

佐藤さん見学しながらの気遣いも大事ですね。ベッドのそばで患者さまの話を聞いたりしますが、医師が回診に来た時には邪魔にならないように状況を察知して脇に移動するなどの配慮も必要です。

対人援助演習Ⅱで学んだことが
現場で活きてくるんですね

松井さん対人援助演習Ⅱでは、全学部・学科・専攻の専門分野の講義を受けることができますが、理学療法と言語聴覚では、例えば首周辺について学ぶ場合でも、こうも違うのかと驚きました。喉や肺の病気まで学ぶんですね。

田原さん理学療法では骨や筋肉など身体を動かす機能が専門だけど、言語聴覚は食べることや話すことに対する専門なので、学びに違いがありますね。

西村さん他学科の学びも知ることで、専門分野は違っても患者さまを助けるという共通した目標に共に向かっているのだと感じられますよね。

佐藤さんそれに、各専門分野に対するベースの知識があるのとないのとでは、やっぱり違います。また、他の専門分野の先生とも接点ができるので、興味がわいたら質問に行けるのもいいところだと思います。

西村さんグループワークで、別の専門分野の学生の意見を聞いたりすることも、視野が広がって良かったです。

田原さん臨床実習の現場でも、自分が担当する患者さまに対して、それぞれの専門職がどうかかわっているのかイメージしやすくて役に立ちました。各専門分野の幅広い知識の得られる対人援助演習Ⅱの学びは、将来の現場でも活きてくると思います。

大阪人間科学大学なら、こう学ぶ

対人援助演習II

「チーム支援」のリーダーを養成する。

チーム支援には、自分の専門分野以外の職種に対する理解と、コミュニケーション力が必要です。対人援助演習Ⅱでは、本学が養成する様々な対人援助のプロフェッショナルがどのような仕事をするのか、学部学科専攻の枠を超えて相互に理解を深めます。授業は、グループディスカッションを中心とした演習方式で、他学部学科専攻の学生たちと意見を出し合います。例えば、心理学の講義では、自分の気持ちを絵に描いて気づいたことを話し合います。チーム支援が実体験できるのは、対人援助の学びが7分野も揃う本学ならでは。将来、異なる分野のプロフェッショナルが集まり、最適な支援の在り方を検討するチーム支援の現場において、身に付けた力が役立ちます。