こんにちは!大阪人間科学大学図書館です。
図書館では、図書館情報を積極的に配信する取組として、教員のおすすめ本の紹介を大学HPで配信しております。
今回は社会福祉学科 久山藍子先生に子どもと福祉に関わる5冊の本を紹介していただきました。
3冊の絵本は読みやすくも考えさせられるような内容ですので、社会福祉学科以外の方もぜひ図書館で手に取ってみてください。
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学生の皆さんへ
社会福祉学科で、スクールソーシャルワーカーの教育課程を担当している久山藍子です。
私には現在3歳と6歳の子どもがおり、毎日の読み聞かせが日課となっています。その中で改めて感じるのは、絵本の持つぬくもりや、短い言葉に凝縮されたメッセージの強さです。シンプルであるからこそ、読み手が自由に解釈し、深く感じ取ることができる。これこそが絵本の醍醐味ではないでしょうか。また、私の両親が出版社勤務だった影響で、私自身も幼い頃からよく絵本を読んでもらっていました。我が家のサンタクロースはなぜか本専門で(笑)、おもちゃが届かないことに不満を感じた時期もありましたが、今、当時の絵本を我が子に読み聞かせながら、時代を超えても色褪せないその普遍的な魅力に驚かされています。
前置きが長くなりましたが、そんな理由で私からは絵本も含めた本をご紹介したいと思います。まずは子どもに関わる専門職を目指す方にぜひ読んでもらいたい絵本3冊をご紹介します。

『わたしのせいじゃない』
レイフ・クリスチャンソン文
にもんじ まさあき訳
ディック・ステンベリ絵
岩崎書店
色のない、モノクロームの絵本です。14人の子どもたちが、泣いている子に対してそれぞれ「わたしのせいじゃない」理由を語ります。それは、どんな理由なのでしょうか。なぜ、彼らは自分のせいではないと語ったのでしょうか。そしてそれは本当に彼らのせいではないのでしょうか。1996年にスウェーデンで出版された本ですが、今の日本の学校や社会、そしてSNSの中で起こっていることと共通する部分があるのではないかと思います。
この本の最後には数枚の写真が載せられています。読み終えた後に現れる写真を見たとき、皆さんはきっと「責任とは何か」を自らに問いかけることになるのではないかと思います。

さかなのなみだ
さかなクン著
二見書房
皆さんはさかなクンをご存じですか?そう、ハコフグの帽子をかぶり、「ギョギョ!」という明るい口癖で知られているさかなクンです。魚のことがとても好きで、現在は東京海洋大学の名誉博士もされているそうですね。そんなさかなクンが朝日新聞の「いじめられている君へ」という連載に寄稿した記事をもとにした絵本です。これを読むと、なぜ、いじめが起こるのか、いじめが個人の問題にとどまらず、社会の構造的な問題であることを考えさせられます。狭く見えない枠組みの中に閉じ込められ、知らず知らずのうちに息苦しさを感じてはいませんか? さかなクンの優しくシンプルな言葉が、固くなった心にすっと届く一冊です。

にげて さがし
ヨシタケシンスケ著
ポプラ社
ヨシタケシンスケさんの作品は、固定観念を崩し、物事を違う角度から捉え直させてくれるところがどの作品もとてもすてきだなと思います。皆さんは大学生になり、あるいは成人となって、「こうあるべき」という社会的な役割に縛られていないでしょうか。そんな時、この本を開いてみてください。くすっと笑って、肩の力を抜くヒントが見つかるはずです。
続いて、学校教育やスクールソーシャルワークに関心のある方へ、専門的な視座を与えてくれる2冊を紹介します。

「ふつうの子」なんて、どこにもいない
木村泰子著
家の光協会
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』でも知られる、大阪市立大空小学校の元校長先生の著書です。この本は、私たちが無意識のうちに囚われている「ふつう」という尺度を揺さぶります。知らず知らずのうちに大人が決めたルールや価値観で、子どもたちの可能性を狭めていないでしょうか。学校の主役は子どもであり、ルールを作るのも変えるのも子どもたち自身であっていいのです。「子どもの声を聴く」とはどういうことか、その原点を教えてくれる本です。

児童福祉のネットワーク
牧里毎治
山野則子 編著
相川書房
児童福祉の専門書は乳幼児期を対象としたものが多い中、本書は学齢期の子どもたちが過ごす学校や地域にも焦点を当てて書かれています。「孤立した親子をいかにして地域や社会資源と結びつけるか」というネットワーク論の視点で書かれていて、学校現場を中心としたネットワークの可能性についても触れられています。スクールソーシャルワーカーには、個別のケースワークだけでなく、予防的視点に立ったネットワークづくりが求められます。それが子どもたちのセーフティネットになるからです。地域ネットワークの視点は私自身がスクールソーシャルワーカーとして働く上でもとても大切にしているものですが、そのきっかけとなった書籍であり、将来この分野を目指す学生にもぜひ推薦したい一冊です。
以上で私からの本の紹介を終わります。ぜひ、気になったものがあれば手に取ってみてもらえると嬉しいです。
