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心理学科

2023.7.12
心理学科

【心理学科】 癒しとは何か? 欲しいと求めるものではなく、困難の先に見つかるもの、気づくもの

1年次生が履修科目に「癒しの科学」という授業があります。4名の教員が自らの臨床実践をもとに、「癒し」というテーマで講義します。「○○心理学」とか、「○○への心理ケア」というテーマならば引き出しの多い教員も、「癒し」をテーマにしたこの授業は何を話すか毎年悩まされます。
6月28日(水)の第11回目の授業では、JICA(海外協力隊)より八木俊亮先生と由地一樹先生をお招きし、「海外協力隊と癒し」をテーマに講義していただきました。

遠い海外での奮闘記をお聞きしました。八木先生は本学の卒業生(社会福祉学科)ということもあり、身近な存在として学べたように思います。障がい福祉に関するスリランカでの経験を、豊富なエピソードを交えお話してくださり、障がいを持つ現地の人々の苦悩、その人たちに触れ合いながら、「認め合うこと」、「許し合うこと」の大切さ、「人間であるという尊厳」について心に突き刺さる学びを得ることができました。
 誰にでも可能性はある。何をしたいかビジョンを持ち、必要なことを選択する勇気とその大切さ。このメッセージは、大学時代を歩き始めたばかりの1年次生にとって、貴重な言葉だったと思います。

 海外協力と癒しの関連性を問う学生からの質問に対し、「得ようとするのではなく、与えるために困難を乗り越え、結果的に癒しと言えるものに出会えるのではないか」と答えた八木先生の言葉には経験に裏打ちされた力強さを感じました。
 学生の世界を広げるために、様々な人と出会う機会を作ることの大切さを再確認できました。心の専門家を目指す学生たちには、様々な価値観に触れ、感性を磨いてもらいたいと願っています。

心理学科 荒屋昌弘

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