ある日、親戚のおじさんが左利きになった。利き手交換の話。(後編)



病気や怪我は、いつでも、誰にでも起こる可能性があるので、その日のためにも練習!

とりあえず書いてみる。
一発目どうだろう?



右の黒い字が利き手。左の青い字が左手で書いた初作品。うまくない?

なかなかに芸術的な感じの仕上がり?

難しいと言うか、力の入れどころがよくわからない。

日本語は右利き用に作られた文字で、左から右に線を「ひく」けど、左手だと、左から右に「押す?」感じ。
縦の線もまっすぐに書けない。

じゃあ、コスモス苑さんの指導の通り、縦線、横線、円を練習してみる。



丸といえば○に見えなくはないし、生きてはいけそう。

そもそも円は時計回りなのか、反時計回りで書くのかがわからない。
どっちにしても、丸い円を書くのは激ムズ。
円全体を同じ力?筆圧?で書くのが超難しい。
慣れてきたので、この調子で漢字もやってみる。



試行錯誤。まぁ聞き手でも上手くはないので、左でもイケるかも。

どうでしょう。
漢字は意外とイケるかも?

漢字を書いてて思ったのが、短い線が多いので、ブレる前に線が書き終わる。
なので、丸に比べて意外とビジュいかも。(生まれて初めて使った。使い方あってる?)
でも、聞き手に比べて5倍くらいの時間がかかる。

これは練習すれば上手くなるんだろうか?
確かに小学生の頃に比べて、利き手はある程度上手くなった気がするけど。

でも利き手でこの程度の字を書くのに数十年かかるなら、左手で綺麗な字を書けるようになる頃には、そもそも別の病気か何かで、もうこの世にはいない気がする。

ただし、大切なのは「普通に。」
そう、普通に「書ける」=普通に「生活できる」ようになることが大事で、今は明らかに普通じゃない。

書くぞ書くぞ!よし書くぞ。
いま書いてるぞ。うわっ曲がっちゃった。
その上、5倍くらいの時間がかかる。

これは何かコツがあるに違いない。
文字情報だけでは伝わらないコツが。

と言うことで、Youtubeで「利き手交換」を検索してみた。
!!!!!!!!

利き手交換の天才。体を自在にコントロールできる武井壮の登場!
なんと、大尊敬する「百獣の王 武井壮」様が
「利き手を変えられるって知ってました?武井壮が両利きになる方法を伝授!!【切り抜き】」

という動画を発見。
https://youtu.be/2FsKAuwO5WY?si=_XtebscjIX_IFe2O

武井壮様によると、
左手と右手を同じようにするコツは、両手で同じ動作をすること。
利き手でやって、次に非利き手でやると、ぶきっちょになる。

両手で同じ動作をやっていると、脳がすり替わっていって、非利き手でも同じようにできるようになると!!

これだ!
これに違いない。



空中に右手と左手で同時に同じ文字を書く練習中。

エアーで空中に練習したけど、明らかに精度が高い気がする。
さすが武井壮。体を自在にコントロールできる男。

ただし、ここで1つ問題が・・・。
僕は生来、ひとりぼっちでモチベーションが続くタイプじゃない。
褒められて育つタイプなのだ。

孤独にライオンと向き合う武井壮のようにはなれない。

僕にはイケメンお兄さんのように、側でおだてたり褒めたり、時に厳しく時に優しく導いてくれる人が必要なのだ。

武井壮のメソッドに、優しく寄り添ってくれる作業療法士がいれば、きっと1年後には右手同様に書けたり、食べたりできるようになるはずだ。

作業療法士とは。
ついでに作業療法士についてもググってみた。
作業療法士(Occupational Therapist, OT)は、身体や精神に障害を持つ人が、日常生活や社会生活を送れるように支援する専門職です。身体機能の回復だけでなく、精神的なサポートも行い、患者が自分らしい生活を送れるように支援します。

こちらの記事も参考に。↓
大学教授に聞いてみた。作業療法士と理学療法士って何が違うの?どんな仕事?

人は誰もいつ事故にあったり病気になったりするかわからない。
小さなおじさんは脳梗塞という病によって、半身不随になって、作業療法士のサポートのもとで、利き手交換というリハビリを行うことで日常生活を取り戻した。

僕の見ているところでは、小さなおじさんはいつも笑顔だった。

だけど、見てないところでは、辛いリハビリを作業療法士のお兄さんと一蓮托生で頑張ったんだろうな。

あのお兄さんは、口の悪いおじさんに、よく寄り添ってくれたなぁ。
ありがとうございます。

大好きだった小さなおじさんと、イケメン作業療法士と利き手交換というリハビリのお話しでした。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

P.S.
近いうちに、作業療法学科の教授から本気の利き手交換を学んでみたい。