- 想いやりをチカラへ導く物語 >
- 心理学科 貴志 紀佐子 准教授
伝えないやさしさが
後悔になると知った
向き合えずに後悔したこと
相手を大切に思うあまり、本当は伝えるべきことを先延ばしにしてしまった経験があります。そのときは「これもやさしさだ」と思っていました。しかし後になって、それが本当に相手のためだったのかと強く後悔しました。不安を引き延ばしてしまっただけではなかったのか。もっと向き合うべきだったのではないか。その問いが、自分の中に深く残りました。その出来事は、「相手と自分に何が起こっていたのかを知りたい」という思いにつながり、心理学を学ぶきっかけにもなりました。
悩みによりそい、ともに考え続けることが、本当のやさしさ
この出来事を通して強く感じたのは、「知りたい」と思った気持ちを大切にすることです。そして、相手を思うあまり一方的に判断するのではなく、対話を通して確かめることの大切さです。人と人が関わる以上、葛藤や悩みは避けられません。それをなくすことがやさしさなのではなく、悩みによりそい、ともに考え続けることこそが本当のやさしさなのだと思います。みなさんには将来、自分の強みと弱みを理解しながら、相手の良さを引き出せる人に、そして、誰もが安心して挑戦できる社会を支える一人になってほしいと願っています。本学で、あなたが自分の力に気づき、伸ばしていけるよう、私はともに考え続ける伴走者でありたいです。